外国人を
お客さまにしよう

東京都には約42万人の外国人が暮らしています。※1
32人にひとりが外国人です。
墨田区は25人にひとりが外国人です。※2
数字で見るとそんなにいるの?と思いますが
ご近所には各国さまざまな外国人が暮らしています。
そして、外国人観光客もどんどん増えています。
下町墨田には、観光地とは違う素顔の日本を求めて
観光客が足を伸ばします。
そうした外国人をお客さまとして迎えたら
売り上げアップにもつながります。
ほんのひと工夫で、外国人にも入りやすいお店になります。

※1 2015年1月現在 ※2 2015年6月現在

あいさつは、
まず日本語で!

「こんにちは!」「いらっしゃいませ!」
外国人のお客さまへの声がけは、まず日本語でしてみましょう。
日本に暮らしている人なら、簡単な日本語はわかります。
観光客もありきたりでない日本体験を求めていますから
日本語の声がけは喜ばれます。そして、旅の思い出にもなります。
日本のおもてなしは、相手の立場に配慮した誠意ある対応です。
それは外国人だから英語で受け答えする、ということとは違います。
相手が望むことを、工夫してできるだけ対応する。
自分の店らしい工夫をすれば、個性も光ります。

コラム1  英語より日本語のほうがわかる!
日本に暮らしている外国人が「自分がわかる外国語」と
して挙げたものは、「日本語」が62.6%に対して「英語」
は44%でした。(国立国語研究所による全国調査)
外国人=英語ではないことがわかります。観光客か在住
外国人かの違いはありますが、まずは日本語で話しかけて
みてください。
(参考資料:「やさしい日本語」科研のホームページ)

“ こんにちは!”

外国人のお客さまだからといって、あわてないでください。
英語で「いらっしゃいませは、なんというんだっけ?」と
そんな心配はご無用です。
にっこり笑って「こんにちは!」と、いってください。
ポイントは、“相手の目を見て”いうことです。

うちの店、
なに屋かわかる?

あなたのお店が近所でよく知られていても
外国人の立場でもう一度お店を見てください。
どうでしょう、なんのお店かわかりますか?入りやすいですか?

◎チェックポイント
a) 入口にメニュー(なにを提供するのか)は出ていますか?
b) 金額は出ていますか?
c) 外国人にもわかりやすいですか?
そこを改善するだけで、お客さまはグンと入りやすくなります。
外国人ばかりでなく、日本人のお客さまもより入りやすいです。

“いらっしゃいませ!”

はじめてお店に入るときは、お客さまも緊張しています。
「いらっしゃいませ!」は、お店に来てくれたことを
歓迎する言葉。自然な笑顔とともに、最初は日本語で
迎えてください。歓迎されていることはお客さまにも通じます。
そして、あなたの笑顔がお客さまの気持ちを和らげます。
「外国人はちょっと……」そんな気持ちから、一歩前へ。
歓迎の気持ちが通じたら、お互いにうれしくなります。
今度は「外国人のお客さまが来ないかなあ」と、
待ち遠しくなるに違いありません。

a)日本語で聞いていますか?
日本語で聞かれたら、ゆっくりとやさしい日本語で答えてください。
「これは、コロッケです」。
試食や試飲などが可能なら、「食べますか、飲みますか」と
すすめてみてください。

b)英語で聞いていますか?
英語なら得意、カタコトなら大丈夫というあなたなら、ここからは
英語で接客するとスムーズです。中国語や韓国語、スペイン語と
いった他の言語も同じです。もしあなたが話せるなら、お客さまの
言葉で対応すると喜ばれます。

c) お客さまの言葉がわからなかったら、にっこり笑って日本語で答えましょう。
「これはコロッケです」。身ぶり手ぶりの説明も、意外に通じるもの
です。その一生懸命さが、歓迎されているとわかります。
物販品なら、使い方を動作で示すと魅力が伝わりやすいです。

飲食店の場合

これ、おすすめです

おいしいものを食べたいけれど何を頼めばいいのかわからない。メニューを見てもわからない。旅先でそんな経験はありませんか?メニューがわかりやすかったらそれだけでほっとします。

衣類店の場合

着ますか?

サイズのある服や靴、帽子などは、試してみないと購入までつながりません。「ご試着なさいますか?」日本人のお客さまにあたり前に使われる尊敬語も、外国人にはむずかしいです。「着ますか?」と着る様子を見せればそれでわかります。また、日本と海外ではサイズ表記が違います。サイズ表があるとわかりやすいです。

物販店の場合

一緒でいいですか?

過剰包装といわれる日本ですが、確かに外国の方は包装にあまり興味はありません。複数購入されても一つの袋に入れていい場合が多いです。しかし、アジアの人は別々に包んで欲しいということもあります。ひと言、聞いてみましょう。

◎「カードは、使えません」

観光客からカードを使えるかと、聞かれることがあります。使えないときは、首を横にふって伝えたり、手を胸の前でクロスさせX(バッテン)を示すのもいいです。

◎「20円のおつりです」

おつりはお客さまにわかるように、手渡ししましょう。日本語でも大丈夫です。相手にわかるように、ゆっくり数えるように渡しましょう。

やさしい日本語で
はなしましょう。

客さまにていねいに話すのは当然ですが、外国人にはむずかしい場合が多いです。
試食はいかがですか? → 食べますか?
試飲されますか?   → 飲みますか?
かしこまりました。  → はい。
お味はいかがですか? → おいしいですか?
何名でいらっしゃいますか? → 何人ですか?
1万円お預かりします。 → 1万円です。